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かばたの夏は梅の天日干しで汗をかく

2000年7月 1日

今月のかばたニュースは、梅干し特集
かばたでは1年分の梅干しを、この時期に最初の工程からすべて手作りで仕込んどる。
特に土用干しまでは、人手と天候に左右される大変な作業なんで、下請けや農家に任せてる漬物屋さんも多いんやけど、私は、人まかせになんて、しとれん。梅の機嫌や天候を細かく見ないと、本当においしい梅干しはできないと思ってるし。そんな梅干しをみなさまに食べていただきたいと思ってるわけ。
これがかばたのこだわりなんや。
まずは、梅干しってどうやって出来るのか、工程を説明するからね。

 1)青梅の状態で仕入れ、梅のご機嫌をみながら、黄色になるまで寝かす
 2)金沢のおいしい井戸水で梅を浸す(なにがあっても1晩だけ)
 3)梅に対し約25%の塩で下漬けして、十分に梅酢を出す(約1ケ月)
 4)天候をみながら蔵の屋根で天日干しをする(約3日)。
 5)梅干しになる分は、もんだ紫蘇と梅酢を使って、漬け込む
 6)梅味賞になる分は、粕漬けにする

この間、梅干しの担当者は休みなし。こうやって、人手と時間とお日様をたっぷり浴びて、かばたの梅干しや梅味賞はおいしく育つわけなんや。
ということで、今月は天日干しの様子を中心に、1)から4)までの工程を紹介しま~す。家庭で作るときのヒントもあるよ~。


梅も良し、さぁ、始めるぞ~

(6月中旬~7月中旬)






倉庫でゆっくり寝た梅たち
すっかり黄色になって、 準備OK!

すべて大ぶりのLサイズ

センムの梅を見る目は 真剣な中にも優しさが・・


夏でも冷たくミネラル豊富な 天然の井戸水で一晩つかります

余談だけど ピンクの長靴にも注目!
センムのこだわりです







井戸水の中の梅にズームイン

昔ながらの25%という割合で塩とともに下漬けしている状態

ここで、おいしそうな梅酢(赤い部分) がたっぷり出ます

梅はゆっくり1ケ月間お休み




梅酢の中の梅にズームイン
(わかる?)


これが、かばたの夏の名物風景「屋根上の天日干し」

(7月下旬:天日干しは天候とにらめっこしながら)


たっぷりの梅酢を出して天日干しを待つ梅たち

工場の人たちの手で きれに並べてもらった
天日干しに命をかける 梅干し担当隊、登場!

屋根の上に登ります

気をつけてね
干してる梅にズームイン

少し塩を吹いている

3日間干すと真っ白になる

屋根の上では、ずらっ~と梅干しが・・・

全体に日が当たるように梅を ひっくり返す担当隊

日が暮れれば、シートをかぶせ、
雨が降りそうなら、屋根から下ろし、
天日干し中は気が抜けない

写真の梅干しは、この時期に仕込む
梅の10分の1だから、
この気配りを後10回繰り返すことになる

1つ1つ愛情を込めて・・・
この愛情で梅干しはぐっとおいしくなる

梅干しQ&A

(センムにインタビューの巻)


梅干しシロート (初めて梅干し作りを見て)大変ですねぇ、梅干しを作るってのは。こんなに手間かけて、採算、合うんですか?
センム 合わないよ~(笑)。でも、手間をかけるというか、私はこの作り方は当然だと思ってる。
漬物というものは、そういうもの。昔、食べた物の味が心に残っているってことがあるよね。私もおじいちゃんがつけた漬物をもう1度食べてみたいといつも思うもん。だから、昔ながらの手作り製法にこだわりたい。
梅について言えば、天候も梅の出来具合も毎年違うんだから、人間の目で見て手間をかけなきゃ、本当のおいしさは出せないよね。
梅干しシロート なるほど・・・。そこが、かばたのおいしさの秘密なんですね。
ところで、最近は減塩ブームだけど、かばたはすべて25%の塩で漬けるんですね?
センム 最初の下漬けはどの梅干しもだいたいそれ位の塩分量で漬けるんだよ。そうしないとカビが生えて使い物にならないから。
減塩梅干しっていうのは、天日干しをした後に、水にさらして塩分を抜くの。脱塩する代わりに、保存料やアミノ酸などを加えるわけ。
減塩、減塩っていうけど、梅干しを食べるのは、せいぜい1日1粒ぐらい。その、せっかくの梅干しを、加工したニセモノっぽいものを食べるってのは、寂しいと思わない?
ってことで、かばたでは脱塩せず、そのまま、漬けてます。くどいかもしれないけど、梅のうまさが生きてて、おいしいよ。ホレ、1つ食べてみ。去年作ったやつやけど。今年のやつは秋くらいだから。
梅干しシロート (もぐもぐ・・)うんうん、その通りですね。まさに「梅干し」っていう味ですね(←ボキャ貧)。これは、病みつきになりそうだ。
ところで、家庭で梅干しを作る人も多いと思うけど、おいしく失敗せずに作る秘訣を教えてください。
センム よく聞かれるね。一番多いのは「カビが生えて食べられなくなったんだけど」ということかな。
これを防ぐポイントは下漬けのときの塩の量。最低でも20%以上にすること。減塩のために最初から少ない塩分量で漬けるとカビが生える。さっき、言ったように、減塩のときは干してから水でさらして脱塩すればいいから。ただし、脱塩した梅干しは冷蔵庫で保管することを忘れずに。
それから、少ない量で漬けるとあまり梅酢が上がらないから、干してから紫蘇と一緒に漬けるとき、梅酢がどんどん減って梅全部が梅酢につからなくなる場合もあります。この場合は、梅酢を買ってきて継ぎ足すといいね。かばたでも1升ビンに入れて売ってるけど、よく買いに来られるお客さんがおいでますよ。やっぱり梅全体を梅酢に浸しておかないと、おいしいのが出来ないでーす。浸しておくと、カビも生えないよ。
梅干しシロート な~るほど。ありがとうございましたぁ。勉強になりました。


1ケ月後・・・・

(8月下旬:無理言って、漬け樽を開けてもらいました)


梅たちはどうなっているんでしょう? 気になって8月末に訪ねてみました。

青く見えるのが紫蘇がたっぷり入っているネット。
紫蘇のベットにはさまれて、ゆっくり眠る梅たち。
出来映えは上々、赤くなってきました。
デビューは10月初旬。後1ケ月の休養です。

ネットの中身は紫蘇
紫蘇の入れ具合で、
梅の赤さが変わる
樽の中の梅が均等に
赤くなるには、
どれくらいの紫蘇を
何段重ねるか。
毎年、試行錯誤だという。



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